ー健全な衝突を経て、意見が次々出てくるチームへ変化ー
QCで得た「視点を与える」という捉え方
ITソリューション分野で急成長を続けるALH株式会社。2017年より組織開発のために弊社のプログラム「クエスチョンサークル」(通称:QC)を導入されており、半年ごとにメンバーを入れ替えながら、過去12期までセッションを実施してきました。
今回は、ALH東京本社で11期メンバーとして参加された、佐内様(写真左)、近藤様(写真中央)、大川様(写真右)に、「クエスチョンサークル」を通して感じた成長や変化についてお話を伺いました。
聞き手は、ALH東京本社におけるプログラムにディレクターとして携わっている、弊社の兒玉が務めます。
「自分を変えるきっかけを作りたかった」先輩の助言で決めたQCへの参加
兒玉:まずは、ALHで実施されているクエスチョンサークル(以下、QC)の11期に参加しようと思った経緯からお話しいただけますか?
大川様:過去にQCに参加していた先輩方から「(自分やメンバーが)QCで変わった」「すごくためになるよ」という話をよく聞いていたので、「キャリアアップのためにも、いつかは経験しなければ」という思いがずっとあり、参加を決めました。
一方で「自分の本当の課題と向き合う機会になったり、耳の痛いフィードバックを受けたりすることもある」という声も聞いていたので、参加前は「どんなプログラムなんだろう?」とドキドキしていました(笑)。
近藤様:私も、QCを経験してきた先輩の言葉がきっかけです。
「向き合わないといけないことや、やるべきことはたくさんあるけど、QCをやったら変わるよ。絶対やってよかったと思えるはず」という上司の後押しもあり、参加しました。
佐内様:当時、僕は自分の現状にあまり満足していなかったんです。なんとなく仕事がうまくいかなくて、モヤモヤとした気持ちがありながらも、何をしたらいいかわからなくて……。
だからQCへの参加には、自分が変わるきっかけを作れたらという思いがありました。
兒玉:それぞれいろいろな期待を胸にQCに参加いただいたかと思いますが、プログラムが始まってすぐの印象はいかがでしたか?
近藤様:初めて質問会議と呼ばれるセッションに参加したときには、「質問」だけで進んでいく会議が新鮮で、とても面白いと思いました。自分が質問される立場でも気づきがあるし、相手に質問していく立場も楽しくできました。
佐内様:僕は正直「これを半年続けるのか……」と。というのも、セッションではメンバーからの質問や、問題を再定義というパートで言われる言葉によって、無自覚もしくは見ないようにしてきた痛いところをグサグサ突かれるんですよね。
最初はそれが想像以上にきつくて、先が思いやられるというのが率直な感想でした。
でも、ある意味そうやって言ってもらえる機会は初めてで。新卒2年目で自分の本当の課題や現実を突きつけられるというのは、いい環境だなとも感じました。
大川様:思い返すと、最初のセッションはまだまだ手探りで、受動的だったと思います。聞かれたから応える、言われたから行動計画を立てるといった“やらされている感”で動いていました。
逆に、セッションを2回、3回と繰り返すなかで能動的に参加するようになってからは手応えが出てきて、変化が出てきたように思います。
気づきも変化も三者三様。QCを通じて得たものとは
兒玉:みなさんが半年間のQCを経て感じた「変化」はありますか?
近藤様:以前は「私の意見なんか…」と思ってしまう部分があったのですが、自分の意見を自信を持って言えるようになったと感じます。
きっかけになったのは、自らの行動計画で、78名もの部署や役割を超えた社員の方々に、私自身に関するアンケートを依頼したこと。そこで改めて客観的な評価やサポートを感じられて、「もう少し自信を持っていいのかも!」と思えるようになりました。
また、QCのセッションには「視点の違いを楽しむ」というグランドルールがあって…。意見を伝えることを「視点を与えること」と捉えて、お互いが異なる価値観でも歓迎する姿勢を持ちながら取り組んでいくんです。そんなQCのセッションを経験してからは、価値観の違う意見を伝えることをポジティブに考えられるようになり、発言のハードルが下がりました。
大川様:僕は、ラウンド3(=3回目のセッション)が明確なターニングポイントになりました。
当時は、無意識に「こうなりたい」「こうあるべき」と自分を追い込みながら、どこか空回りしている感覚があったんです。そんなときにセッションで言われた「無理して〇〇さん(※上司)になろうとしてない?」「型にはまろうとしているんじゃない?」という言葉がすごく刺さって。
型にはめようとせずに、自分が心からやりたいと思うことを頑張っていこうと思えました。
佐内様:僕も、当初はどこか型にはまろうとしていた部分がありましたね。でも、QCで質問に答え、フィードバックをもらうことを繰り返すうち、「今こうして苦しんだり疲れたりするのは、俺が俺じゃないからや」とハッとした瞬間があったんです。
それまでの僕は「社会人はこうあるべき」という思いが強く、そこから外れる個人的な感情や意見は出さないようにしていて。そこから「もっとオリジナルの自分で期待に応えよう」と思ってからは、肩の荷が降りました。
QC11期の同期メンバーからは「すごく変わったよね」とよく言われます(笑)。
近藤様:佐内さんはQCを通して本当に変わったと思います。
会社や先輩の意向に従うだけでなく能動的に自分の意見も伝えているし、何より、以前よりもオープンマインドになりましたよね。
佐内様:自分自身の感情や意見にも目を向けて、それを職場でも出せるようになったというのは大きいですね。
次々と意見が出てくるチームになったのは「健全な衝突」があったから
兒玉:みなさんには、11期として計9名でQCに参加いただきました。同期チームに対する最初の印象を教えてください。
佐内様:11期は20代後半の人が多かったものの、見知ったメンバーもいれば知らないメンバーもいて、オリエンテーションのときは部活の初日みたいな雰囲気がありましたね。
ただ最初は自分と向き合うのに精一杯で、チームのことまで意識できてなかった気がします。
大川様:ラウンド2くらいまでは、“対自分”の個人戦のイメージが強かったですね。「QCはチームビルディングの効果もある」と聞いてはいたものの、その感覚はあまりなくて。むしろ少しやりにくさがあったくらいです。
そういう意味では、当初はここまでお互いに自己開示して、意見を言い合えるチームになるとは思っていませんでした。
近藤様:たしかに。最近も懇親会で同期メンバーに会う機会があったのですが、今では深い話をしたりバチバチに議論したりと、改めていい関係性を築けたなと感じましたね。
兒玉:11期がいいチームへと変化していけた理由は、どんなところにあると思いますか?
大川様:きっかけになった出来事でいうと、あるメンバーが、セッション後の振り返りや行動計画の進捗報告のために共有するカルテ(書類)の提出期限に遅れるという、ちょっとした事件があって。
ただこれはあくまで一例で、そもそもラウンド3までは、メンバーやチームによくない部分が見受けられても、誰ひとりフォローもネガティブフィードバックもしない状況だったんです。
でも、これはいいチームとは言えないよなと。自分のことを棚に上げて提案するのに葛藤はありましたが、僕から「同期ミーティング」という形で話し合いの機会を提案しました。
近藤様:その同期ミーティングにはメンバー全員が参加して、すごく議論が白熱したんです。
それまでのお互いに遠慮して干渉しない雰囲気が一気に変わって。それぞれが「自分の視点を伝えてもいいんだ」「意見や価値観が衝突してもいいんだ」という共通意識を持てるようになった場でした。
兒玉:そのときのことは、私もよく覚えています。本音や意見を伝え合いながら11期の「共通の目標」を設定できて、濃い時間でしたよね。
佐内様:そうですね。彼が「いいチームになっていくには、共通の目標設定が必要なんじゃないか」とまっすぐ意見を伝えてくれたことで、他メンバーからも次々と自由な意見が出てきたのを覚えています。
近藤様:そこで最終的に決まったスローガンが、「新しい同期になる」。それぞれが本音をぶつけ合う議論を経ての決定だったので、ポジティブに捉えることができました。この過程を経てから、チーム感を意識できるようになったと感じます。
職場やビジネスシーンで活きる、QCでの学び
兒玉:QCでの経験が役立っている場面について教えてください。
佐内様:QCを通して、コミュニケーションの取り方や問題解決へのアプローチが変わりました。
以前は「事象そのもの」についてしか考えていなかったのが、自分や他者の感情面にも目を向けられるようになりました。ビジネスシーンでも、実は心理的な問題が大きく関わっていることってよくあるんですよね。
コミュニケーションをとりながら、相手と一緒に答えを探していくアプローチができるのは、QCでの経験が活きているところです。特に「(自分側ではなく)本人の中に答えがある」というマインドは、今も意識しています。
近藤様:私の場合は、恐れずに自分の意見を言えるようになりました。まだ「価値観のぶつかり合いを楽しめる」とまではいかないものの、そこに向けた1歩を踏み出せた実感があります。
年齢や立場の違う人に対して自分の意見を伝えるハードルがぐっと下がって、仕事がしやすくなりました。
大川様:自分が明確に変わったのは、コーチング的なアプローチです。僕はマネージャーとして後輩メンバーと接するのですが、以前は相手に自分の期待を押し付けてしまっていました。
でもQCに参加してからは、メンバーに対する“質問”を大事にしています。あれこれ指示するより質問をするようになってからは、メンバーが自発的に行動してくれることが増え、関係構築もしやすくなりました。それまで苦労していた関係構築やマネジメントが、こんなにも簡単に変わるのかという発見がありましたね。
「本気で向き合えば、必ず得るものがある」まだまだ広がるQCの可能性
兒玉:QCをすすめるなら、どんな人におすすめしたいですか?
大川様:個人的に、2通りのタイプが考えられると思っています。
1つ目は、やりたいことがない、もしくはやりたいことがわからないタイプです。そういう方にとっては、QCのセッションの場が、自分を見つめ直して目標を見つけていくサポートになるのではないでしょうか。
2つ目はその逆で、やりたいことに向かって成長していきたいタイプ。自身のキャリアや仕事に行き詰まり感を抱えている方は、その問題をいろいろな視点で整理して、限界突破していくきっかけ作りができるのではと思います。
近藤様:QCでは他者からの視点をもらいながら成長できるので、成長の頭打ちを感じている人や「変わりたい」と思いながらも何をしたらいいかわからない人には向いているんじゃないでしょうか。
あとは当時の私のように、悩みがあるけど誰かに相談できていない人も、意義を感じられると思います。というのも、QCでは“自分の現実的な課題”について扱うんですよね。プログラムを通していろいろな視点を得ながら悩みにアプローチできるのは、大きなメリットだと感じます。
佐内様:「こうしなければ」という何かしらのバイアスを持って働いている人にとっては、それを改めて見直せるいい機会になると思います。
僕自身、「社会人はこうあるべき」というバイアスに囚われて苦しんでいたのが、いろんな視点や気づきを得てそれを取っ払えたことで、心がラクになりました。
近藤様:バイアスでいうと、ある程度キャリアを積んできたマネージャーやハイクラスの役職の方が参加するのもいいかもしれません。キャリアを積んでいるからこそのバイアスや成長の難しさを感じている方にとっては、“自分の型”が崩される経験が新鮮で面白いんじゃないかと思います。
大川様:企業の枠に囚われずに考えるなら、就職活動を控えている学生の方にもよさそうですね。質問に答えながら本質に近いていくQCのセッションは「自分は何がしたいんだろう?」という学生さんの自己分析にも役立ちそうです。
佐内様:……こうして話してみると、おすすめできる人は総じて全員ですね(笑)。本気で向き合いさえすれば、絶対に何かしら得るものがあるので。
大川様:たしかに。キャリアアップを目指す人はもちろん、なんとなく仕事をしてる人や、やりたいことがわからない人、いろいろな人に役立つのは魅力ですよね。
人によって気づきの内容や変化の質に違いはあれど、個人や組織にとって、絶対に何かしらプラスになるプログラムだと思います。
兒玉:そう言っていただけると励みになります。本日はありがとうございました!
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